

教育本来の活動の中で一番目の施策である「正しい生活を実践する人間性の育成」は、人間らしい徳性を培うことに重点を置いた施策である。二番目の施策である「基本に忠実な教育課程運営」は、多様な才能を啓発する土台で、基本学習能力を培うことに重点を置く。三番目の施策である「夢と才能を活かす創意力啓発」は、基本学習能力を基礎として各自の特性と素質を開発していく教育活動である。四番目の施策である「教育力を鼓舞する行政の具現化」は、学校教育の公的な信頼度を引き上げるための自立、責任行政と現実的な教育支援活動に重点を置いている。

1.正しい生活を実践する人間性の育成。
わが国の近代教育の精神をうたった1895年教育入国詔書と、これを継承した「広益人間」の理念を提示した教育基本法から見ると、我々の教育は全人教育として徳・体・知の育成を指向する。ありふれた徳・体・知と思われるかもしれないが、実は「徳」が教育の基本として最優先の方向性や課題を提示している。人間としての基本が備わって初めて教育の目標が実現されるという趣旨から、人間性育成教育を一番目の施策とした。
「正しい生活を実践する人間性の育成」の「正しい生活」とは、基本的生活習慣の確立、共同体意識の育成、民主的で安全な学校文化の形成、祖先の魂を受け継ぐ伝統文化の理解と尊重、健全な遊びおよび余暇を活用した情緒の育成などを通した健全な生活のことである。
人間性教育は、自己形成と共同体意識の育成に重点を置いている。人間性の基礎は基本的生活に現れる習慣化された行動と自己管理能力により形成され、肯定的な自己確立の基礎となる。肯定的な自己意識は、民主的な市民意識の基礎であり、学校・社会・国家共同体の発展に貢献する姿勢として現れる。共同体意識は、楽しく安全で民主的な学校生活、分かち合いの社会奉仕活動、正しい国家観による愛国心、そして健全な文化と遊びを共に享受するこにより人間的な紐帯が締められていく過程で会得される。
人間教育は、徳目の認識を越えて、知行一致できちんと反省し判断して、正しい生活を自ずから実践する方向でなされなければならない。これによって教える側と習う側の実情に合う課題が選定、実践されなければならないし、体験中心の学習でなされなければならない。 正しい生活の実践、奉仕活動、子女教育相談センターの運営、地元の伝統文化体験学習の強化といった課題は、学校と地域の特性を活かして教育するようにし、正しい国家観の確立は、周辺国の歴史歪曲に対処して、統一国家となる過程の中での、葛藤の解決と新しい祖国のビジョンの提示に教育の重点を置いている。
2.基本に忠実な教育課程運営上の争点の一つは、
基本教養教育と実用能力教育の中でどこに重点を置くかにあった。ところが、高度成長期以後、実用主義的な教育が強調されながら教育への投資と教育の機会の拡大にもかかわらず、基本的学習能力を含んだ素養教育がおろそかになり学力低下として現れた。これによって世界の色々な国では、教育改革の一環として「基礎教育への回帰」を叫び基本的な教育の重要性を強調している。このような意味で、基本に忠実な教育を二番目の施策に設定した。基本に忠実な教育とは、問題解決能力の土台である読み書き計算のような基礎学習、学年別の最低限の必須学習、審美眼、基礎体力を会得し、学習能力を伸ばすことである。特に、自己主導的な学習が強調されながら、学習能力は 認知能力として重視される。学習能力とは、新しい知識と情報を習得し活用する能力、自律学習能力、基礎的な思考力、学習方法に対する学習、そして、基本的な学習態度などである。
基本教育の成敗は、教育課程の忠実な運営とその支援にかかっている。学校教育の核心は、教育課程上の教育目標と内容を踏まえ、国民としての基本学習能力を備えるようにすることである。特色のある教育課程運営、基礎学力の保障、学力管理チームの運営、および大学進学情報室の運営、職業教育競争力の強化、学生健康体力評価システムの運営、そして、保健教育の充実などは、学校教育課程運営を支援し基本教育に忠実であるようにと設定した課題である。 「始まってみれば半分成ったも同様」という言葉があるように、基本教育では出発が肝心である。幼児および特殊教育支援の目的は、人生の始まりの時期に早期教育の機会を拡大することで、文化な損失を防ぎ、潜在力を育てることにある。読書教育の活性化と英語体験学習院の運営は、学習の基礎的な基本言語能力を伸ばす教育を支援することである。u-ラーニングは、高度情報社会の教育環境の変化に対する適応力を育て、生涯自己主導的な学習能力を持たせようとするものである。
3.夢と才能を活かす創意力の啓発
21世紀教育の中心キーワードは、「創意性」である。創意性の教育が重視されるのは、国家、学問、産業間の障壁が崩れて、全てが統合される変化の時代に能動的に対処することのできる自ら生きる力の育成が切実なためである。この教育施策は、学生の基本能力を基礎として個人の創意性と独創性を重視する教育を実施することにより、高い価値を創出できる人材を育成することに目標を置いている。
創意性の教育の方法は、個人の個性と素質を活かすレベルに合った教育、いい意味で特性化され差別化された教育である。学校は、水準別の授業と選択中心の教育課程を運営し、個人の素質と適正を最大限活用して個人個人の能力と特性を引き出していかなければならないし、教育課程運営で具現化されるようにしなければならない。
創意力の啓発によって推進されるのは、様々な分野の英才性を伸ばすグローバル英才教育システムの構築、探究力を育成する科学教育、統合的思考力と表現力を育成する統合教科型論述教育の強化、様々な才能と特技、適性を伸ばす放課後学校の運営と課外活動の機会の拡大、新しいアイデアと創造力を育てる教育の支援、そして、学生部活動の支援強化などである。
創意性の教育は、特色ある学校教育課程の編成と運営を通し、その評価が高くなる。未来の社会の変化に能動的に対処し、生徒の自己主導的学習能力を育成できるように学校教育課程を運営することが、即ち創意的な教育課程の運営である。学校教育課程が学校と地域の実情と生徒の特性を考慮して運営され、運営の結果に対する評価と還元が活発に展開されるように、政策的な努力を傾けていくことである。
4.教育力を鼓舞する行政の具現化のための
教育の重点目標は、学生個人が自己主導的に学習し合理的に判断して正しく行動することのできる自律的な人間を育成することにある。自律的な人間を育てるため、教育機関は運営方式で自立性を保障してもらうことが必要である。
今や学校は、上から下りてくる教育政策を消極的に執行する役割から脱し、教育プログラムを 主体的に企画しその結果を反省し、さらに教育力を高める役割を実行する機関としてその位置づけが変わってきている。学校は様々な教育活動を充足させる開かれた教育の場にならなければならない。従って、学校の環境に配慮して、特色ある教育実績を上げることができるよう支援しなければならないということである。
学校の自立性と独自性は、各種規制の撤廃、教員業務の負担軽減、校舎、人事と財政運営で学校の管理支援システムの構築、学校管理職の経営能力の向上、そして、保護者と地域住民との教育における協力関係の確立などが持続的・積極的に推進されることにより伸長する。
教育行政機関は、学校との連繋を密にし、地域教育の発展と福祉の増進を共に計画し推進しなければならない。同時に地域と保護者との繋がりを強化し、教育への参加を拡大するために教育問題を共有し、共に解決するよう多様な視点で模索しなければならない。
人事行政の合理的運営、e-教育行政の定着、行政組織の効率的な管理、そして、教育政策の満足度向上、保護者研修の機会拡大などは学校の管理支援システムを構築する上で重要である。さらに、教育発展のための協議体の運営、適性規模の学校の育成、地域の優秀学校の育成は、地域と保護者との協力を通して推進されるもので、地域の教育発展を図るためのものなのである。